『星くずスロウ』制作風景
1. 音楽:古田愛弓
エレクトリックピアノの音色をころころと転がしてみる。高音域のキラキラした音、低音域のまろやかな音が心地よい——とにかくただそれだけを味わいながらバッキングパートを作りました。キラキラまろやかに相応わしく、展開はロマンチックに。
主旋律は言葉を頂いてから作るので、イメージの妨げにならないよう、バトンをお渡しする段階では素材としてのサイズ(1分ほどの長さ)で提示を致しました。
その際お伝えはしていませんでしたが、イメージとしては所謂ラップに近いような、そういう食感のメロディを乗せたいなと考えておりました。
2. 絵:キノピ
きらきら星が瞬く夜空を、1組のカップルが眺めていた。女性はお腹に新しい命を宿し、やがて女性から生まれるために1つの星が地上へ降りてくるだろう。星たちは遊んだり踊ったりしながら、地上へ降りる順番を今か今かと待っているのだった。
滑るようなかわいらしい音色の装飾から、きらきら星が瞬く夜空を連想しました。上記のようなお話が思い浮かんだので、静かでロマンチックな雰囲気の前半と、動きが出て楽しげな曲調に展開する後半とに分けて絵にしました。また、文章のナツオへはこのような物語の説明は一切せずに回しました。
3. 言葉:ナツオ
これを書きながらも上記の絵担当・キノピさんの裏設定を読んで驚きを隠せずにいます(笑)。
気を取り直して。この作品は音色と絵によって、とてもスムーズに言葉が出てきた記憶があります。
音色の甘さと、どこか懐かしいキャッチーなメロディ。
最初聴いた際に「これは歌詞世界において自分に閉じた、やや自己陶酔的なロマンか?それとも恋愛に寄せていくロマンか?」というのが頭に浮かび、続いてキノピさんの絵を受け「よし恋人たちの歌詞にしよう」と舵を切りました。
エレクトロなキラキラとした音色の表現する先として、絵の「星空」を軸にしながら、恋愛における「時よ止まれ!」という気持ちを表現してみました。
しかし、2人の男女の絵だというので恋愛に容器を絞ってしまった自分の読みの浅さに、やや反省しております・・・。